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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

米国株式、投資信託、日々の生活などを学んでいきたいです。






(米国を中心とする)巨大企業の台頭(IMFのブログより)



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1 米国中心の市場支配力の拡大

 

米国の実質GDPを調べていたら、また、脇道にそれてしまいました。

 

しかし、下記の話題は、米国株式投資をする上では、とても重要なことです。

近年、米国は経済発展が特に著しく、世界における市場支配力が益々増大しています。米国の、「経済強者がますます強くなり、市場を支配する」という実例は、資本主義経済の行き着く先を暗示しています。

その点、日本は、資本主義に完全には染まっていないと思います(労働者の地位の保護がなされており、経営者による労働者解雇は容易ではなく、また、非正規従業員の待遇改善も遅まきながら進み出し、失業率が低位であるため、結果として、社会不安も比較的少ないと思われる)。

 

非米国の企業、経済団体にしてみれば、米国企業、国家の支配力の増大化は、見逃して済ませられる課題ではありませんが、実質的には、認めざるを得なくなってきています。今後、米国の一国支配の前に立ち塞がる可能性がある国家は、中国、インド、(遅れて、インドネシアもそうかも)と思われます。

米国に投資する投資家にとっては、米国企業の市場支配力の増加は好ましいことですが、管理人の場合は日本で糧を得ているため、長期的には収入がジリ貧になってきますので、諸手をあげて賛成とはいいかねます。

 

しかし、株式投資においては、企業の業績拡大と、その企業からの株式リターンは、長期的には、必ずしも、完全な比例関係にあるとは限らないことは、シーゲル教授の調査結果により、明らかになっています。それは、国家と地域を選べば、米国以外での投資も、高いリターンを得られる可能性があることを示唆しています。

とはいいながら、管理人は、現在は、米国企業に投資するという判断をしていますので、米国株式投資を続けます。

  

2 巨大企業の台頭

 

さて、今回の話題について、

  

今週のグラフ:巨大企業の台頭

 

フェデリコ・J・ディエス、ダニエル・リー

2018 年 6 月 6 日

 

データストレージの写真。巨大企業がビッグデータを持ち、市場支配力を強め、維持することを暗示する写真

 

航空会社から製薬会社、ハイテク企業に至るまで、大手企業の経済的な富と力が拡 大する中、ごく一部の企業が市場支配力を握り、過度の集中が生じるのではないか、 という懸念が高まっている。

特に先進諸国では、高まる企業の市場支配力が原因で、 企業利益の増加に比例しない投資の停滞や、企業の活力の減衰、生産性の伸び悩み、 そして雇用労働者に支払われる所得の比率の低下が引き起こされていると指摘されている。

 

巨大企業の台頭とともに、このような傾向が今後も続く可能性があるのか、そして その場合には、デジタル時代において公正で活発な競争を維持するために、政策の一 部を見直す必要があるのか、といった新たな疑問が生じている。

しかし、企業の市場支配力を測るのは容易ではなく、市場集中度や利益率といった一般的な指標は、誤解を招くこともある。

私たち IMF の「今週のグラフ」は、この問題が大手テクノロジー企業にとどまらず、よ り広範囲に及んでいることを示している。

このグラフは、74 か国の上場企業に関するデータを扱った、近日公表予定の IMF ワーキングペーパーに基づいている。具体的には、先進国と新興国開発途上国の価格設定を比較し、企業全体を通じた財とサービ スのマークアップの平均値の推移を表している。

マークアップとは、企業が自社の製品に定める販売価格を、その製品を 1 単位多く生産するためにかかる費用と比較し、 割合として表したものである。これが市場支配力の尺度の一つとなる。

 

 

管理人の注

1.マークアップとは、原価に加えられる一定の利潤、利幅のこと。原価と売価の差額が、原価に対して 何 % なのか、または、売価に対して何 % なのかとういうように、原価基準または売価の数値で表される。

 

2.各製品の原価を正確に把握することは、外部者にとっては、非常に困難である。特に、(外部からの購入品価格ではなく)内部費用の正確な按分は困難を極める。 

 

 

市場支配力のグラフ。マークアップの増加(先進諸国と、新興国、発展途上国との比較のグラフ

   1980年代以降の先進国のマークアップ率(1990年を1とする) 

 

 

このグラフからは 2 つの明白な事実が見てとれる。第一に、先進国におけるマークアップは 1980 年以降、平均 43%と著しく増加しており、この増加傾向は過去 10 年間 で加速している。第二の点として、先進国(管理人注:「新興国」が正しいと思われる)と開発途上国ではマークアップの増加はず っと緩やかであり、1990 年以降の増加率は平均して 5%である。

 

 より詳細な分析によると、先進諸国におけるマークアップの増加の大きな要因は、 「スーパースター」企業である。その他の企業のマークアップが基本的に横ばいである中、市場支配力の拡大を成し遂げた企業だ。興味深いことに、このパターンは情報通信技術セクターのみでなく、経済セクター全般に広く見られる。

先進諸国の企業の市場支配力の拡大は、懸念すべき状況なのか。一言で答えるなら ば「イエス」だ。この傾向が継続するならばなおさらである。

私たちの研究では、マークアップ率が低いレベルから上昇する場合、最初は投資とイノベーションが増加するが、市場支配力が過度に強まった場合には、この相関関係が負になることが明らかになっている。

さらに、市場集中度が高い産業においては、マークアップと投資・イノベーションの間に著しい負の相関が生じる。 同研究ではまた、企業における労働分配率マークアップの間の負の関係が確認さ れている。

つまり、市場支配力が拡大する産業では、労働分配率が低下するということになる。言い換えれば、市場支配力が強くなると、企業の収益のうち労働者に分配される比率が下がり、利益の比率が高くなるということである。

政策に関してはどのような影響が及ぼされるのか。これは世界規模の市場支配力の拡大の背景にある要因によるであろうが、この点についてはまだ議論が続いている。

ソフトウェアを始めとする無形資産の増加や、ある製品の利用者数が増えるとその製品の価値が上がるネットワーク効果、あるいは独占禁止法の執行が不十分であること などが、原因として考えられる。

これらを識別するために、さらなる研究が必要である。 IMF国際通貨基金)、世界銀行経済協力開発機構OECD)が近日開催する会議では、企業の市場支配力、 競争政策、製品市場の規制・規制緩和、そしてこれらがもたらすマクロ経済効果につ いて、掘り下げた考察が行われる。

 

 

筆者: 

フェデリコ・J・ディエスIMF 調査局構造改革ユニットのエコノミス ト。IMF の前には、ボストン連邦準備銀行で勤務。企業市場支配力、 技術革新、起業、企業組織、インボイス通貨などを研究テーマとして 取り上げている。ウィスコンシン大学マディソン校で経済学博士号を 取得。

 

ダニエル・リーは IMF西半球局の課長補佐。国際マクロ経済学分野で、 財政・金融政策に焦点を当てた研究を行っている。ジョンズ・ホプキ ンズ大学で経済学博士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学修士号を取得。

 

3 所感

 

先進国と新興国の、それぞれの国家間における、市場支配力の影響度合いを考えると、ここ10〜20年間は、先進諸国(特に米国)が支配的地位をしめると、管理人も同意する。だが、その後はどうなのか。新興国が、人件費が安いということのみで、「下請け」「労働力供給工場」の地位に甘んじ続け、無策であるとは思えない。

 

長期投資の「長期」とは、何年をさすのか?それぞれの年齢、健康、収入などによって、期間は変わりうるが、相続という名の富の偏りの連鎖を考えると、先代から資産を相続する人は、投資期間は先代から合わせると50年から100年以上になりうるのではないか。その場合は、イノベーションの波を見誤ることなく、投資先(国家、地域、セクター、企業)の検討を怠ってはならないと思う。

(例:イーストマンコダックは、米国超優良企業であったにもか関わらず、デジタルカメラの普及に伴う、写真フィルム需要の減少により、上場廃止に追い込まれた。

実際のところ、デジタルカメラの発明者はイーストマンコダックであり、その技術的課題を早期に掴み、その対策、改良をしていたと思われるが、デジタルカメラ市場の急激な拡大と、普及の見通しのずれ(見誤ったこと)により、商品トレンドに乗り遅れる結果となった。

 一方、日本の富士フィルムは、適切な業態転換により、現在でも、超優良企業の地位を保持している。

 また、トレンドに乗り損なった企業として、携帯電話端末会社のノキアもそう言える。)

 

そう考えると、巨大企業の台頭に関しても、永遠にストーリーが続くという保証はなく、 行く末を見守りながら、適宜検討を続けることが、必須であると考える。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。