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二酸化炭素(CO2)回収・貯留計画が世界で増加、拡大中



1 二酸化炭素(CO2)の回収・貯留計画(CCS)の進展概要


 

 

1 日本経済新聞の記事より

 

日本経済新聞 2018年12月14日(金)の記事です。

 

CO2貯留計画、世界で増加

 

温暖化を抑えるための二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)計画が世界で増えつつある。オーストラリアの非営利法人グローバルCCS研究所のまとめでは世界の大規模なCCS施設は43あり、このうち23施設が建設中または稼働している。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは日本などで排出されたCO2を海外で処理する事業も検討する。

 

  CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素の回収と貯留)

 

2 世界のCCS計画の進行状況

 

日本では、2016年度から、「苫小牧プロジェクト」が操業を開始しています。

 

一方、世界のCCSプロジェクト

 

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世界のCCSプロジェクト(経済産業省資料より)
事例1:スライプナー・プロジェクト

ノルウェーの石油・天然ガス採掘を行う企業が、1996年から北海で実施しています。海底下地層から採掘された天然ガスと一緒に発生するCO2を分離・回収し、年間100万トンを近傍の海底下帯水層に貯留しています。世界の大規模プロジェクトの中でもパイオニア的存在です。

 

 

事例2:ワイバーン・プロジェクト

2000年9月から、カナダのワイバーン油田において、CO2の圧入を実施しています。これはCO2を用いた石油増進回収を目的としたもので、325km離れた米国の石炭ガス化工場で発生したCO2をパイプラインで輸送し、圧入しています。2012年末までに累計で2450万トン、現在も年間300万トン規模での圧入を行っています。

 

 

2015年11月時点

 大規模プロジェクト45件

 

 進行状況別

  1.   運転中:15件
  2.   建設中:7件
  3.   精査中:11件
  4.   評価中:9件
  5.   構想:3件

 

 地域別

  •   北米:19件
  •   欧州:8件
  •   中東:2件
  •   アフリカ:1件
  •   南米:1件
  •   オセアニア:3件
  •   アジア:11件

 

 

国立環境研究所の資料より引用。 

 

温室効果ガスの代表格であるCO2(二酸化炭素)は、世界で年間約326億トン(2012年)が排出されています。

太陽光や風力などの代替エネルギーの開発やエネルギー利用の効率化でCO2排出量を減らす努力が進められる一方で、化石燃料由来のCO2を大気に放出するのではなく、地中や海底などの別の場所に隔離し閉じ込める「CO2回収・貯留」(以下、CCS =Carbon dioxide Capture and Storage)に関心が集まっています。

 

1 CO2の分離・回収 

  

技術名  技術の概要   
化学吸収 CO2を選択的に溶解できるアルカリ性溶液との化学反応によって、CO2を分離します。吸収されたCO2を取り出す際には多量の蒸気が必要です。アルカリ性溶液として、アミンや炭酸カリ水溶液などが使われます。  
物理吸収  高圧下でCO2を大量に溶解できる液体に接触させ、物理的に吸収させます。そのあと、減圧(加熱)してCO2を回収します。  
膜分離  多孔質の気体分離膜にガスを通し、孔径によるふるい効果や拡散速度の違いを利用してCO2を分離させます。  
物理吸着  ガスを活性炭やゼオライトなどの吸着剤と接触させて、その微細孔にCO2を物理化学的に吸着させ、圧力差や温度差を利用して脱着させます。  
深冷分離  ガスを圧縮冷却後、蒸留操作により相分離でCO2を分離します。  

 

 

2 CO2の隔離

CO2の貯留においては、隔離したCO2の大気中への漏出をどう避けるかが課題です。地中貯留に期待が寄せられる背景には、「化石燃料や地下水を長期間封じ込めていたような安定した地層ならば、CO2の隔離も長期間可能なはずだ」という考えがあります。

 

1 地中貯留への期待
1 帯水層貯留

 CO2をタンカーやパイプラインで輸送して、地下の帯水層へ圧入し、貯留します。帯水層とは、粒子間の空隙が大きい砂岩等からないり、水あるいは塩水で飽和されている地層のことです。将来の貯留可能量が大きいとされ、地中貯留のなかで最も有望視されています。

2 炭素固定

 CO2を地中の石炭層へ注入し、それによってメタンの回収を促進するとともにCO2を吸着貯留します。回収されたメタンは発電所などで利用します。

 

3 石油・ガス増進回収

 CO2を石油・ガス層へ圧入し、それによって石油・天然ガスの回収を促進するとともにCO2を貯留します。回収された石油・天然ガス発電所などで利用します。

 

4 枯渇油・ガス層貯留

 CO2を枯渇した石油・ガス層へ圧入し、それによってCO2を貯留します。

 

2 海洋隔離の検討

かつては、CO2を海水に溶けこませたり、高い圧力が加わる深海底に液体の状態で送り込んでその場にとどめる「海洋隔離」も検討されました。

海洋汚染防止のための国際条約「ロンドン条約」は、廃棄物等の海洋投棄を原則禁止しています。

同条約の1996年の取り決め(ロンドン条約96年議定書)の2006年11月の改正で、CO2が「海洋投棄を検討することができる廃棄物」として追加されました。日本も2007年に海洋汚染防止法を改正して、この条約を批准しました。

これによりCO2は禁止廃棄物の例外となったわけですが、同議定書附属書Iでは「海底下地層への地中貯留に限定」としており、事実上の地中貯留のみが容認されている状態です。海水中にCO2を送り込む海洋隔離については、生態系への影響など未解明な部分が多く、さらなる影響評価や技術開発が必要とされています。

 

2 所感

CO2の回収・貯留については、最近、聞いていなかったので、どのような段階まで進展しているか調べてみました。1996年や2000年から実際に始まっていたとは知らず驚きました。

環境問題は、日々重要度を増していますので、アンテナをはって折に触れ、調べていきたいと思っています。

石油会社が得意だろう分野なので、なおのこと、注目しておきます。

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。